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​これからの暮らしに必要な「片付け」とは?

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日本の高齢化イメージイラスト

 日本は現在、高齢化率が28%を超え、世界第1位の高齢長寿国となっています。

 2030年には、65歳以上の高齢者が人口の1/3になるといわれ、とりわけ75歳以上の高齢者(後期高齢者)の人口が急増し、その中の4割の高齢者が一人暮らしをしていると予測されています。

 

 つまり、80代・90代になったとしても、一人で元気に暮らせる環境にしておくことが必要なのです。

「元気に暮らす」

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「元気に暮らす」とは、すなわち「自立し健康的で活動的に暮らす」ことをいい、その状態で暮らせる期間のことを「健康寿命」といいます。

 しかし、平均寿命と健康寿命の差を比べてみると、男女共に亡くなるまでの約10年間を、病気をしたり介護度が高い生活を送っていることが分かっています。

 これには様々な要因が考えられていますが、要介護となる原因のランキング第4位に「転倒・骨折」が入っていることから、私たちはあることの重要性を考えるようになりました。

 それは、家の中の「片付け」です。

80代 女性 一人暮らし
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「片付け」

 それは、とある現場で目の当たりにしたのがきっかけでした。

 そこは、玄関にまで物が溢れ、入ることも足の踏み場もままならないない状態でした。

 そんな中、そこに住む80代の女性が物につまづいて転倒し、大腿骨を骨折、入院。

 退院後も「自宅で暮らしたい」という女性の願いは叶わず「自宅での生活や介護は困難」と判断され、やむ無くそのまま施設への入居となりました。

​ 結局、施設の部屋で生活するわずかな家財道具だけのお引越しを行い、残りの家財道具は全て処分することになりました。


 自分の生きた証である大切な物や思い出の仕分けも出来ず、病院から直接施設へ入居することになるなんて・・

 ご本人はもちろん、ケアマネさんやヘルパーさんも大きなショックを受けられていました。

 かたや、その女性のご家族(息子)は莫大な家財整理費用を負担することになり、親子関係にも亀裂が生じる結果となってしまいました。

 

 正直、なぜ、こんな状態になるまで何も出来なかったのか、心から疑問に思いました。
 懸命に生きてきた終盤で、こんな家族の形を迎えるなんて誰も望まないでしょう。
 本当にやりきれない思いだけが残りました。

 前述でもあったように、将来、高齢者は増える一方で、かたや「少子高齢化」に伴い高齢者を支援する労働者人口は減る一方です。

 介護施設は減り、入居したとしても満足のいくサービスは受けられないでしょう。

​ ということは「いつまでも自分の家で暮らす」ことを、要するに「在宅介護・在宅医療」が一般的になる時代が来ることが考えられます。

そんな時代を
「いつまでも自分の家で、自立し健康的で活動的に暮らす」には、その生活環境を元気なうちから
整えていかなければなりません。

「物を減らす」こと、いわゆる「片付け」も、大変重要なことの一つです。

 ご利用者様やそのご家族の、これからの暮らし方への不安、いわゆる「心の荷物をおろす」ことを、元気なうちから「片付ける」ことの大切さを、介護従事者の目線で伝えていきたいと考えています。

ご家族との面談
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